「一粒の新薬が患者の運命を変える」牛正乾氏が語る日中協力とイノベーションの未来

開放によって育まれるイノベーション、協力によって共有される健康
――CPIC 2026グローバルカンファレンス・日中医薬品協力フォーラムにおけるご挨拶

中国医薬企業管理協会 国際化専委会主任委員 牛 正乾
2026年7月24日 上海国家会展センター

尊敬する諸先生、諸先輩方、
ご来賓の皆様、
ならびに式典にご出席の紳士淑女、友人の皆様

皆様、おはようございます。

本日、ここCPIC 2026グローバルカンファレンスにて、皆様とお招きし「日中医薬品協力フォーラム」を執り行うことができますことを、大変嬉しく光栄に存じます。私は中国医薬企業管理協会を代表いたしまして、ご参集いただきましたすべての皆様に心よりの歓迎の意を表します。また、長年にわたり日中間の医薬品交流と協力を温かく見守り、支え続け、世界の医薬品イノベーションの発展を力強く推進してこられた各界の皆様に対し、深甚なる敬意を捧げます。

「イノベーションは開放によって成長し、健康は協力によって共有される」

私はこの言葉を、本日皆様と分かち合いたい共通のテーマといたしたく存じます。

医療の本質は、人類の生命への希望を担うことにあります。そしてイノベーションとは、健康を切望するこの時代への応えにほかなりません。

今日、生命科学がこれまでの認知の境界を次々と打ち破り、人工知能(AI)が新薬開発のパラダイムシフトを加速度的に推し進めています。そして、数多くの革新的な成果が続々と臨床現場へと届けられ、患者の皆様の救いとなっています。私たちは今、かつてないほど強く「テクノロジーが従来の医学を変革し、イノベーションがより豊かな未来を形作りつつある」という確信を抱いています。

しかし同時に、私たちは以下の事実をもこれまで以上に深く認識せざるを得ません。すなわち、人口高齢化、重大疾患の予防と治療、公衆衛生の安全、医療アクセスへの公平性といった世界共通の難題を前に、「いかなる国も単独ですべてのイノベーションを完結させることはできず、いかなるイノベーションも開放と協力の精神なくして、真に世界へ恩恵をもたらすことはできない」 という現実です。

画期的なイノベーションはひとつの研究室から生まれるかもしれませんが、それが広く人類を救うためには、必ず「世界とのつながり」と「協働」が必要となります。

これこそが、本日私たちがこの場所に集い、志を同じくする意義にほかなりません。

CPIC 2026グローバルカンファレンスは、世界中の医薬品イノベーションの力を結集し、高水準な国際交流と協力のプラットフォームを構築いたしました。異なる国々が互いに革新的な成果を分かち合い、異なる文化が発展の歩みを交わし、サプライチェーンの各領域に携わるプレイヤーが手を取り合うための共通のコンセンサスを形成しています。

本日のひとつの交流が、明日の画期的なブレイクスルーを育むかもしれません。本日結ばれるひとつの信頼が、未来における偉大なプロジェクトの幕開けとなるかもしれないのです。

そして、この「協力の精神」を最も現実的かつ有意義なかたちで体現しているのが、まさに「日中の医薬品協力」です。

中国と日本は、ともにアジアにおける医薬品イノベーションの核心を担う存在であり、世界の医薬品イノベーション・エコシステムにおける重要な参画者でもあります。両国はそれぞれ独自の発展の強みを持つと同時に、共通の時代的使命を背負っています。

日中の協働は、単に医薬品産業の発展や技術の突破だけを目指すものではありません。それは何よりも、「世界中の患者の皆様の福祉のため」であり、「世界の人々のQOL(生活の質)の向上のため」、そして「未来における健康な世界を共に創り上げるため」にあるのです。

イノベーションが国境を越え、協力が文化の壁を越え、そして信頼が市場の垣根を越えるとき、医薬品イノベーションはより広大な発展の空間を手に入れ、より深い人間愛としての価値を宿すことになります。

先日、北京において『医薬品産業グローバル協力発展イニシアチブ』が発表されました。そこでは、安全で効果的な医薬品の入手可能性(アクセシビリティ)と価格の妥当性(アフォーダビリティ)を絶えず向上させ、増大する人類の健康ニーズにより良く応えること、そして「開放・協力、平等・相互学習、普遍的包容」を堅持し、世界の医薬品産業の高品質な発展を共に推進することが提唱されました。

これは単なる産業発展に向けた指针に留まらず、私たちが未来に向けて共有すべき根幹のバリュー(共通の価値観)を表現したものであると私は考えます。

「開放」とは一方が利益を得ることではなく、共に成長することです。「相互学習」とは単なる言葉のやり取りではなく、互いを高め合うことです。そして「協力」とは一時的な利害の一致ではなく、人類の健康事業を持続的に発展させていくための根本的な道筋なのです。

今日、私たちはかつてないほど「さらなる開放」と「協力の深化」を必要としています。

私たちは、人材、技術、資本、データといったイノベーションに不可欠な要素が、より自由かつ効率的に流動できる環境を共に整備しなければなりません。また、技術基準の調和、知的財産の保護、レギュラトリーサイエンス(規制科学)といった領域での国際的な連携を深め、より開かれ、より強靭で、より活力に満ちたグローバルな創薬イノベーション・エコシステムを構築していく必要があります。

今日、私たちはかつてないほど「さらなる平等」と「相互信頼の増進」を必要としています。

私たちは、起業家、科学者、医学者、そして次世代を担う若いイノベーション人材の間の交流と協力をより一層強化していく必要があります。重大疾患の克服、AIを活用した創薬、プレシジョン・メディシン(精密医療)、細胞・遺伝子治療といった最先端の分野において、より高いレベルでの共同イノベーションを展開し、医薬品科学技術のフロンティアを共に切り拓いてまいりましょう。

今日、私たちはかつてないほど「包容と相互学習」を重んじ、「未来を共有」することを必要としています。

私たちは、安定的で信頼性の高いグローバルな医薬品サプライチェーン・バリューチェーンを共に維持しなければなりません。より高品質で、安全、有効、かつ負担可能な医療製品を、世界中のより多くの国や地域へと届け、グローバルな健康課題に共に立ち向かうことで、医薬品イノベーションを真に「全人類の共通の福祉」へと昇華させていく必要があります。

私たち中国医薬企業管理協会は、これからも強固な架け橋・結び目としての役割を果たし続けます。開放と包容、互利共栄の精神を堅持し、日本をはじめとする世界各国の医薬品界との交流と協力を絶えず深化させてまいります。そして、中国の医薬品企業の高水準な国際化を促進し、グローバルな医薬品イノベーション資源の双方向の流動を活性化させ、より開かれ、より活力ある国際医薬品協力のエコシステム創出に貢献していく所存です。

紳士淑女の皆様、友人の皆様、

私は常に信じています。
一粒の革新的な新薬が、ひとりの患者の運命を変えることができると。
ひとつの科学技術の突破が、ひとつの産業の進歩を推し進めることができると。
そして、一度の真摯な国際協力が、より多くの命に未来の希望を灯すことができるということを。

「開放がイノベーションを成長させ、協力が健康を共有させる」

これは医薬品産業が発展していくための普遍的な法則であるだけでなく、世界の医薬品界が共に堅守すべき価値の追求であるべきです。

ぜひ、今回のフォーラムを新たな出発点といたしましょう。開放的なエコシステムを私たちの共通言語とし、ブレイクスルーとなるイノベーションを共通の追求とし、協力の強化を共通の行動といたしましょう。 手を携えて日中の医薬品協力を深化させ、手を携えてアジアの医薬品イノベーションを牽引し、手を携えて世界の健康の発展を促進してまいりましょう。イノベーションがより活発に花開き、協力がより緊密に結ばれ、健康がより普遍的な恵みとなる、そんな医薬品産業の新しい未来を共に迎えようではありませんか。

ご清聴、誠にありがとうございました。


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